[TOC思考プロセスで検討] 近くの工場を借りるかどうか その4


 

以下の記事の続きです。

[TOC思考プロセスで検討] 近くの工場を借りるかどうか その3

 

sekasukuでのプロジェクトはこちら。

 

 

 

UDEを出したら次にやることは、そのUDEを発生させているジレンマ(対立)をあぶり出すことです。

 

どうしてUDEが発生しているのか、見てみましょう。

 

対立解消図をカンバスにドロップします。

 

これはどういうジレンマがあるのかを明確にするツールです。

考え方、作り方はこちらを見てください。

 

クラウド(対立解消図)の書きかた

 

クラウド(雲)とも呼ばれます。

今どきクラウドと言えばウェブ上に置いてあるストレージとかサービスのことを想像してしまいますが、このクラウドもそのクラウドも語源は同じ、雲です。

TOC思考プロセスのクラウド(雲)は、蒸発する雲(Evaporating Cloud)が語源で、解決すると対立が雲散霧消してしまいますよ、というところからエリヤフ・ゴールドラット博士が名付けたとかなんとか。

混乱するので、あんまり分かりにくい名前をつけないで欲しいところですが。。。

分かりにくい名前だったので、意訳で「対立解消図」と呼ばれる別名のほうが有名になっている気がします。

 

今のところシマダ機工の対立はタイトルにもある通り、「近くの工場を借りるか借りないか」です。

「借りる VS 借りない」

この対立が本当かどうかは、クラウドを書く過程で明らかになって行きますので、これで作ってみましょう。

 

一番最初にクラウドの右上の「D10」のところ、問題(UDEを引き起こしている行動)を考えてみましょう。

 

 

どう考えても、「D10」に来るべきなのは「工場を借りない」ですよね。
「工場を借りない」という行動によって、以下のUDEのいくつかが発生しています。

 

 

わたしが今のところ一番気にいらないUDEは、「UDE80 自社が発展する将来像が描きにくい」です。

なので、そのUDEをクラウドの右上の右横にちょいっと移動してきて、クラウドの右上の「D10」には「近くの工場を借りない」と入力します。

「D10 近くの工場を借りない」 ことによって 「UDE80 自社が発展する将来像が描きにくい」 を引き起こしている。

まあそんな感じですね。
他にも自社が発展する将来像が描きにくい原因はあるかもしれませんが、ここは十分条件の関係ではないので、ひとまず良しとして進めます。

次に、対立するところの右下「D’10」のところを書きます。

もちろん、「近くの工場を借りない」の反対の「近くの工場を借りる」と書きます。

入力するときは上の画像のようにチェックリストが出てきますので、これに従って書きます。
このチェックリストに従うのはルールで、無視してしまうとクラウドとは呼べません。
問題をしっかり解決するために、ルールにしっかり従ってクラウドを作りましょう。

 

次からがちょっと難しいです。

「B10」と「C10」ですが、どちらから書いても良いです。

いま書いた「近くの工場を借りない」と「近くの工場を借りる」のそれぞれの行動が目指している好ましいことを書きます。

「近くの工場を借りない」が目指しているのは、直近の出費を抑えるためですね。
敷金3ヶ月分、家賃15万円/月と、機械設備の移動費用、電話、電気、ガス、水道、インターネットなどなど、本社工場とは別に、離れたところに工場をもうひとつ保有するのになかなかの初期費用とランニングコストがかかります。
工具やジグなどもパッと取りに行けない距離なので、どちらの工場にも置いておかないといけません。
気が遠くなる。

「B10」に書くときの表現は「行動が目指している好ましいこと」として書きますが、「出費を抑える」はまあまあそれに沿っているのでそのまま使います。「収益性を高める」でも良いかも知れませんね。

 

 

チェックリストを見ると、「なぜUDEを我慢してまでDという行動をとってしまうのか説明できているか?」とありまして、十分に説明できます。。。

「出費を抑えたい」から、「将来の発展性」を我慢してまで「工場を借りない」という行動を取ってしまっています。。。

 

もう1つチェックリストから、「D’の行動はBという状態を危うくしてしまうか?」を見てみましょう。

「近くの工場を借りる」という行動は「出費を抑える」という状態を危うくしてしまうか?

危うくなりますね。工場を借りると出費が確実に増えます。
どれくらい増えるかは自分次第ですが、どちらの工場も使いやすくしようとすると短期的に1千万円くらいは要るでしょう。

 

次に行きましょう。

C10は「D’10 近くの工場を借りる」が目指している好ましいことです。

これはもちろん「機械設備を増やしていく」ためでしょうね。

プロジェクトの概要にも、ちゃんと書いてあります。

では、「C10 機械設備を増やしていく」と入力します。

チェックリストからチェックしてみましょう。
「UDEの存在によって犠牲になっている状態として説明できているか?」

「自社が発展する将来像が描きにくい」 せいで 「機械設備を増やしていく」ことは出来ない。

なんかちょっとヘン。

今まで編集ボックスの下に隠れていましたが、以下の図のように、このUDEには「機械設備を置く面積が無くて」という理由がくっついています。

つまりUDEのほうが表現不足のようなのでUDEを「自社を発展させるための機械設備設置用の面積が不足している」と表現調整します。

もう1回チェックリストで、「UDEの存在によって犠牲になっている状態として説明できているか?」を確認してみます。

「自社を発展させるための機械設備設置用の面積が不足している」 せいで 「機械設備を増やしていく」ことは出来ない。

 

どうですか。

ここ、けっこう考えるのに時間かかりました。

 

もう1つチェックリストのチェックを検証してみましょう。(実際には全部やってるけど紹介するのは抜粋ということです)

 

Dの行動はCという状態を危うくしてしまうか?

「近くの工場を借りない」という行動は、「機械設備を増やしていく」という状態を危うくしてしまうか?

危ういですね。工場を借りないと面積増やせなくて機械設備を増やせないです。

 

ここまで入力できました。

 

 

BとCはとても難しくて、ジョナでも迷いが出るところです。
最初からエレガントに表現できるのはマレです。
チェックリストにしっかり従えば、かなり良いレベルに持ってこれると思いますので、ルールに従いましょう。

 

次のAはカンタンで、BとCの共通目標です。

これは、どちらも「会社を発展させる」ためです。
出費を抑えるのは利益幅を増やして会社を発展させたいからだし、機械設備を増やしていくのも売上高を増やして利益を増やし、会社を発展させたいからです。

 

ではA10に入力します。

 

入力完了!

 

ルールに従って、これを声に出して(ここ重要)読んでみます。

「会社を発展させる」ためには「出費を抑えなくてはならない」

「出費を抑える」ためには「近くの工場を借りてはならない」

「近くの工場を借りない」ことによって「自社を発展させるための機械設備設置用の面積が不足している」

その一方で

「会社を発展させる」ためには「機械設備を増やしていかなければならない」

「機械設備を増やしていく」ためには「近くの工場を借りなければならない」

 

「近くの工場を借りない」ことと「近くの工場を借りる」ことは対立していて、両立できない。

 

私のアタマの中のジレンマが、バッチリと表現できました。

完全に納得。

そうです。こういうことですよ。

同じ「会社を発展させる」という目標があるにもかかわらず、本来なら取りたい行動ラインをとることが出来ず、本来なら取りたくない「現在取ってしまっている行動ライン」を採用してしまっている。。。

 

これには、わたしがまだ説明していないけど自分でそうだと思い込んでいる「前提条件」が理由としてあるわけです。

 

それはまた次回にしましょう。

 

できたら、もう1回これを読んで復習してみましょう。

クラウド(対立解消図)の書きかた

 

 

現時点でのスナップショットを残しておきます。
https://sekasuku.com/project/420/?ver=932

スナップショットは編集モードの中にいるときに「保存」のボタンを押すと作れます。あとでここに戻ったり、ブランチ作成のコピー元として使ったりできます。

 

つづく。

 

[TOC思考プロセスで検討] 近くの工場を借りるかどうか その5

 

 

 

 

本連載の記事リストは、以下になります。

https://sekasuku.com/press/tag/%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%AE%E5%B7%A5%E5%A0%B4

 

 

 

 

 

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