以下の記事の続きです。
さて今回はさっさと中身に行きましょう。
以下の編集モードの画面から再開です。
まずそもそも、sekasukuに興味を持っているということは、問題や悩みがあるということですよね。
まず、どういう問題があるのか列挙するところから始めます。
ざっと書いてみましょう。
わたしの場合は工場を借りるかどうかという問題なのですが、そもそもなんで借りようか、借りないかという話になっているかというと、現在の工場が狭くて困っているからです。
弊社の工場の周りは、たいへんにのどかで良いところです。
空撮動画も貼っておきますね。
工場のレイアウトはこんな感じで配置されてます。
なんかお隣さんの屋根が越境してきてる気がするな。
レイアウトだけ抽出すると以下のような感じ。
工場を建て増ししたくなかったので、無理やり設備をぎゅうぎゅう入れてきた。
ということで、弊社は以下のように面積の課題を抱えています。
せっかくなので履歴も書いておきましょう。
- 現在の工場135㎡には7台の工作機械設備を配置しており、工作機械設備を増やすたびに以下のように設備や備品を工場外に出してきたが、費用がとても高くついている。
- 2013年 5軸マシニングセンタDMU 80T導入時 => 工場内の事務所を取り壊して工場外で敷地内の北東部に建屋を建設して事務所を移設し、スペースを空けた。
情報技師なんて工場内の旧事務所で入社面接を受けて、入社したときにはその事務所が無くなってましたからね。
レイアウト変更 (事務所ぶっこわす)
DMG DMU80T(5軸マシニングセンタ) 導入
5軸をばりばり使って - 2015年 3軸マシニングセンタVS-50導入時 => 工場内の手仕上げ場と材料受け入れ用のスライド棚を、工場外にヨド物置を建設して移設し、スペースを空けた。
これですね。
設備導入 日立精機 VS50
レイアウトが落ち着いてきました - 2016年 コンプレッサー更新時 => 工場内にあったコンプレッサーを老朽化更新する際に、工場内には置けるスペースが無いため、工場北側に屋根と土間を建設して屋外に設置した。
これこれ。ちゃんとブログに書いてある。
10馬力のコンプレッサ 大破 轟沈
コンプレッサ置き場、ほぼ完成
20馬力のクロダ ロータリベーンコンプレッサを導入しました - 2017年 3軸マシニングセンタMB-56VB導入時 => 工場内にあったNC旋盤1台を廃棄してスペースを空けた。これ以降は古い設備を処分して新しい設備に入れ替えていかざるを得ない状況となったが、それでは工作機械設備の台数が増やせず設備投資効果が低い。
以下の記事にて。
多重コマンド入力 (マシニング買いました)
- 2013年 5軸マシニングセンタDMU 80T導入時 => 工場内の事務所を取り壊して工場外で敷地内の北東部に建屋を建設して事務所を移設し、スペースを空けた。
- 工作機械設備と技術者人員の動線は上記レイアウト図を用いて計画して最適化しているものの、仕事量が多くて大きな材料がたくさん入荷してきた場合は足の踏み場が無くなって危険である。
- 敷地内の建物は本来は業務に使用すべきでない旧住宅でさえも会議室やロッカールーム、バックオフィスとしてフル活用しており、現在所有している敷地では生産設備を置くための工場や、材料を置くための倉庫を増設する余地が無くなってしまった。
- 駐車場として292㎡を借りているため、地代のランニングコストが高くついている。
かなり苦労してて、現在の敷地面積ではもう限界を迎えている感じがします。
仕事量と社員数が年々増加してるから設備を増やしていかざるをえないけど、お金がいっぱいかかるから工場面積を増やすのはイヤだ、というジレンマにハマって余計にお金いっぱいかけてますね。なんじゃこれ。いまようやく気づきましたよ。
これを解決するために、まずTOC思考プロセスのセオリーに従ってUDEを出してみましょう。(やっと)
UDEの説明は以下を読むと良いです。
こんな感じでTOC思考プロセスは、問題の範囲を定めることに沢山の時間を使います。
解決する前に「何が問題なのよ」とフォーカスを絞るのです。漠然としていたら解決したのかどうかもわかりませんからね。
わたしの場合は、今まで書いた文章のハシバシに表れていましたが、以下のような「UDE候補」が出てきます。
- 大量に材料が来ると足の踏み場がなくて危険
- 3K職場を連想させる
- なにか導入するたびに費用が高くついている
- 駐車場の地代のランニングコストが高い
- 新規設備用に増設する余地がもうない
- 新規設備を入れるたびに旧設備を捨てるので投資効果が低い
- レイアウト変更のたびに大混乱におちいる
- 発展する将来像が描きにくい
UDEの約束事に従うのはまた後でということで、いま書いたことをUDE候補としてUDEのオブジェクトに1つずつ列挙しておきます。
これをUDEに約束事に従って「キチンとしたUDE」にしていきます。
とりあえずUDE10、UDE20、UDE60が気になったので修正してみました。
「原因」と「結果」が両方書かれていたので、分けました。
明らかに悪いことがUDEなので「悪いこと」をUDEのほうに残し、原因になっているものはエンティティというオブジェクトを新たに置いて、そちらに書きます。
「危険なことがある」っていうのは悪いことですが、「材料が大量に来る」は別に悪いことではないですからね。
UDE20はちょっと難しいですが「3K職場を連想させる」からと言って悪いわけではないので、「職場環境に誇りが持てない」としてみました。これでもまだ別に。。。という感じがしますが。
直接的に悪いことは求人しにくい、とかですかね。
UDEのほうに残っているものは、ちゃんとUDEの約束事に従ってチェックリストにチェックをしていったのでチェックマークがつきました。
ちなみに上記の画像、スクリーンショットではなくて、「ダウンロード」ボタンを押して作ってます。
画面を見ているままのショットで画像ダウンロードができて、プレゼン資料用などの切り貼りに使える画像ファイルを取得することができます。
もともとはsekasukuにアクセスすることが出来なさそうなオジイちゃん(ご高齢の経営者とか)にもツリーを見せられるように、と実装した機能です。
優秀なエンジニアさんがササッと実装してくれましたが、非常に便利でユーザさんにインタビューするといつも好評です。
そして、ほかのUDEも約束事に従うためにチェックボックスでチェックしていきます。
見直した結果、以下のようになりました。
「原因」 => 「結果」 の関係になっているものは、この機会に矢印線で結んでおきました。
これから先まだいくらでも編集できるので、これくらいにしておきましょう。
現時点でのスナップショットを残しておきます。
https://sekasuku.com/project/420/?ver=923
スナップショットは編集モードの中にいるときに「保存」のボタンを押すと作れます。あとでここに戻ったり、ブランチ作成のコピー元として使ったりできます。
さて、UDEをこうして眺めてみると、だいぶ心理的にグッタリしますね。
どうやって解決するんだよ、て。
それはもう、
つづくw
本連載の記事リストは、以下になります。
https://sekasuku.com/press/tag/%E8%BF%91%E3%81%8F%E3%81%AE%E5%B7%A5%E5%A0%B4