議論が発散/炎上しない仕組み 「7つの習慣」で有名なトーキングスティックとは その使いかた


トーキングスティックとは、アメリカ先住民が少人数で議論をおこなう際に使っていたツールです。

7つの習慣の第5の習慣「まず他の人を理解してから、自分が理解される」の元になった概念で、会話をするときに理解不足による無駄な争いを無くすことができます。

 

 

 

 

トーキングスティックの使い方は、議論をするときにスティックを持っている人だけが発言して、周りの人はスティックを持っている人の発言を、ただ黙って聞くというルールを守るだけです。

トーキングスティックを持っている発言者はスティックを持っている限り、自分の話が十分に理解されたと納得できるまで話を続ける権利があります。

その間、他の人は、さえぎることも、主張することも、反対や賛成することも許されず、内容が正しく理解できるまで黙って傾聴する、という約束を守ります。

なぜなら、「発言者は理解される必要がある」からです。
聴衆にできることは、発言者を理解し、理解したことを明確に示すことだけです。

発言者が自分の主張を正しく理解されたと感じた場合はスティックを次の人に渡して、今度は聴衆になり、スティックを渡された人は前の発言者が言った内容をあらためて説明しなおして、前の発言者と周りの人に「私はあなたの言っていることを正しく理解している」と認めてもらいます。

もし前の発言者の発言内容がうまく伝わっていない場合は、次の人が説明しなおす時に理解不足が判明するので、分かってもらえるまで説明しなおしたり補足して、理解不足をほぼ100%無くすことができます。

こうしてトーキングスティックを受け渡して会話をしていくおかげで、議論の参加者はみんな自分の発言に慎重になり、発言に責任を持ち、お互いを正しく完全に理解しあい、お互いを尊重できます。

質の低い議論によく見られるような、はぐらかしや揚げ足取りや個人攻撃などが起こらず、議論が自律的にコントロールされます。

多数決制度のように少数意見を無視してしまったり、大衆受けしそうな平凡な意見になったり、利益を与える見返りに意見を通すようなことも防ぐことができて、本当に良い意見が採用される風土となります。

「人の話は黙って最後まで聞きなさい」という先人の知恵の発展版ようなものでしょうか。

ぜひ普段の会議、会話にも取り入れていただきたい仕組みです。

(注:昔、ジェームズ・スキナー訳の7つの習慣を読んだ記憶とネットにある文章を元に本文章を書きましたが、いま手元にある完訳 7つの習慣 25周年記念版を読んでもトーキングスティックの話題が出てきませんでした。どこに書いてあったんだろう。。。?)

 

さて、現代社会ではインターネットを通じて議論をおこないたいという需要が増えていますが、現在のインターネットには上記のようなトーキングスティックの仕組みが無く、以下のような問題が見られると思います。

 

  • 音声会議システムやビデオ会議システム、電話などの音声ベースでおこなう議論では、話しやすいのでコミュニケーション自体はとても円滑に行われますが、リアルタイムに集まらないといけないので時間を取られますし、めいめいが話したいことを話してしまい、なかなかまとまりません。
    また議論後に参加者や関係者のために議事録を別途起こして文書化する必要があり、議論の検証機能もないため文書化してから初めて論理的な矛盾に気付くことがあります。

 

  • 掲示板、チャット、メッセージングアプリのような文書ベースでおこなう議論では、リアルタイム性を要求されないので便利ではありますが、司会者による仕切りがないので、やはり自分が話したいことを発言してしまって議論はまとまらず発散していきます。
    こちらは文書になっているので必要なところだけ抜粋すれば議事録にはしやすいですが、やはり議論の検証機能はありませんので論理的な矛盾はあとから気づくことになります。

 

インターネット上ではない会議でも司会者がうまくやらないと議論は難しいのに、インターネット上ではとっても難しいですよね。

sekasukuはグラフィカルな文書ベースの議論スタイルですが、インターネット上で問題を解決するという意識高い系のアプリなので、問題解決するためにインターネット上で議論するという上記の難しさを抱えています。

 

でも安心してください。

こんなに散々トーキングスティックの話をしているのに、まさかsekasukuに採用されていないはずがありませんよね?

 

sekasukuでのトーキングスティックの使い方は、プロジェクト詳細画面の右側の画面(以下の写真の部分で、ログイン後の画面に出てきます)でプロジェクト参加メンバーに「ステッキを渡す」を押すと、他の人にスティックを渡すことができます。

スティックを渡された人は議論のための論理ツリーの編集権を受け取ることが出来るので、理解されようと努めながらツリーを編集し、プロジェクト参加者に説明してください。

スティックを持っていない人は、前述したトーキングスティックの作法に従って、ひたすらに編集されるツリーを眺め、質問をして、理解することに努めてください。

 

sekasukuは流行りのメッセージングアプリのようなコミュニケーションの円滑化や容易化の流れとはまったく逆行して非効率的に見えますが、コミュニケーション手段にトーキングスティックのルールと、論理を検証しながら議論を進めないといけないというルールを設けることによって議論を適正にコントロールし、議論の成果物の品質を向上させる仕組みになっています。

 

これが、sekasukuがインターネット上で議論をするうえで成果物の品質を高く保ち、参加者の善良化を促して発散/炎上を防ぐことができる理由です。

以上がsekasukuでのトーキングスティックの使い方になります。

 

TOC思考プロセスを開発したエリヤフ・ゴールドラット博士は7つの習慣を採用しているのかどうか良く分かりませんが、第4の習慣「WIN-WINを考える」などはズバリですね。
良いものを組み合わせたというよりは、良い習慣にそれぞれ別のルートから行き着いたのかも知れませんね。

 

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