TOC思考プロセス適用事例:オークマ MC-60VAE の主軸修理


 

この記事は2017年09月13日に http://xn--qckn4dud5e146u9qq.jp/article/453437839.html に書いた記事を移植したものです。

オークマ MC-60VAE の主軸修理

 

長年の懸念事項であった弊社の一番大きいマシニング MC-60VAEの主軸修理を実行しました。

 

ギア主軸なので、ビルトイン主軸のように現地でポンっと入れ替えは無理なのでメーカーのオークマさんに引き取ってもらっての修理です。

たぶん2年くらい前からだと思うのですが、主軸からガラガラ音がするのと、ちょっとずつ動きが重たくなってきて主軸ギアをフリーにしても固くて手で回せない状況になっていました。

何とか仕事はできるものの、2,000 RPM 以上回すと主軸のエラーが頻発したり、音がすごく大きかったりで「2,000 RPM 縛り」という状態で使ってきました。

先日、主軸から工具が抜けないというトラブルがあったのでオークマサービスを呼んで調査したところ、ベアリングが発熱していて主軸テーパが熱膨張し、そこに差しこまれたツールが冷めたときに食いついて抜けないという事象でした。

ここで修理するかどうかという選択肢が発生したのですが、なぜこの主軸が調子悪い状態で今まで使ってきたのか、そのジレンマを表した図がこちら。

sekasuku_project273_2017-09-13-1244.png

読み方としては、

・[利益を上げる] ためには [間断なく仕事が行われていなければならない] なぜなら [機械を止めていると仕事ができない] からである

・[間断なく仕事が行われている] ためには [60VAEの主軸を修理してはならない] なぜなら [修理期間が2か月もかかる]、[2ヶ月分の売上げが失われる]、[修理費用が150万円かかる]、[仕事を断るとお客さんに迷惑がかかる]、[etc etc….] からである

・[60VAEの主軸を修理しない] ことによって [60VAEの生産性が低い] というUDEを発生させている。

・一方で、[利益を上げる] ためには [将来の仕事の生産性を上げなければならない] なぜなら [一時的に機械を止めても、生産性が上がれば挽回できる] からである

・[将来の仕事の生産性を上げる] ためには [60VAEの主軸を修理しなければならない] なぜなら [主軸回転数が2000RPM MAXになっていて加工が遅い]、[主軸焼付きのトラブルを抱えている]、[修理しないと目に見えない逸失利益が発生し続ける]、[主軸がついに壊れた場合は、自分たちがコントロールできないタイミングで強制的に修理モードに入ってお客さんに迷惑がかかる] からである

・[60VAEの主軸を修理する] ことと [60VAEの主軸を修理しない] ことは対立していて両立することができない なぜなら [主軸がいったん外されてしまうと代替主軸はないので機械は動かせなくなる] からである。

というように読みます。

もちろん主軸修理をして生産性をあげたいのですが、さまざまな都合によってそれが実行できない状態でした。

このクラウドは明確に頭のなかに有ったわけではなくて、主軸修理をするかしないか、という選択肢を迫られたときに何で修理してこなかったのかを明確にしてみたものです。

そして[主軸がついに壊れた場合は、自分たちがコントロールできないタイミングで強制的に修理モードに入ってお客さんに迷惑がかかる]という致命的な状況にいることが分かったので時期を自分たちでコントロールできるタイミングで修理することにしました。

そして運がよいことに、オークマサービスが主軸修理を2~3週間で実行できるようになっていました。
ちょっと前までは2か月以上かかると言われていたものです。

この修理期間の短さがインジェクションの1つとなり、あといくつかのインジェクションを行えばあまり経済的にも、仕事の流れ的にもダメージなく機械の修理ができると分かったのです。

これで主軸焼付きで仕事を強制的に中断させられる心配もなく、いいところ2,000 RPMまでしか回せなかった主軸がちゃんと6,000 RPMまで回せて本来の機械の性能を取り戻すことができ、将来の仕事の生産性を上げることができるようになりました。

このように、ジレンマにさらされている状況で何か重要な判断をするときにTOC思考プロセスのクラウドを使うと、スッキリと方向を見いだせるようになります。

フルセットのTOC思考プロセスでなくとも、クラウドだけ使えるようになったら十分に良い状況が産み出せるようになるので、ぜひマスターして使ってみてください。

https://sekasuku.com/

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